乾式ワイヤーソー工法 Dry Wire Sawing

 多くの水を使わず、鉄筋コンクリート構造物などを従来の湿式工法同様に切断する画期的な新工法です。 乾式工法では切削泥水が発生しないため、現場の養生、多量の水の確保、切削泥水の処理が不要です。 そのため、建物や機材が隣接する場所、排水設備がない場所での作業に適しています。また、集塵された切り粉は、土嚢袋に直接収集するため後処理が簡単です。

 現在では、コアドリル・ワイヤーソー・ウォールソーの各乾式工法があります。

 

 

 乾式ワイヤーソーイング工法は、油圧式小型ワイヤーソーマシンに下記の乾式システム機材を取付け、乾式専用ダイヤモンドワイヤーで鉄筋コンクリート構造物を従来の湿式工法と同様の切削スピードで切断することが可能です。

 

特 

乾式ワイヤーソーイング工法では、切削泥水が発生しないため現場の養生や切削泥水の処理が不要です。
低騒音で水漏れ等の心配がないため、オフィスビルなどの1階では営業活動、2階では切断工事といったことが可能です。
河川にかかる橋の切断解体では現場にオイルフェンス等の設備が不要で、環境に配慮した工事が可能です。
集じん機により集塵された切断粉は、サイクロンダストコレクター内部の土嚢袋に直接収集するため、後処理が簡単です。
ワイヤーを冷却するための水は、1時間あたり10ℓ程度と従来工法の約1/100の水で済み、経済的な切断作業が可能です。

 

構成部品

 

 

 小型油圧ワイヤーソー DSM-10A

基本的に湿式同機種を使用します。

 

 

 油圧ユニット E-1812A

湿式同様にワイヤーソーの動力発生装置

です。ワイヤーソー油圧モーターに接続

します。

 

 

 集じん機 V-0702A

7.5kw電動機搭載の強力集じん機です。

φ75吸引ホースをサイクロンダストコレクター

接続します。

 

 インテークガイドプーリ組

ダイヤモンドワイヤーの切り口に追従し切断

を確実にキャッチします。ダイヤモンドワイ

ヤー引き側に取り付け、サイクロンダストコレ

クターと接続します。

 

 

 防塵カバー組

切断終了時の切断粉飛散防止カバーです。

 

 ノズルプーリ組

ダイヤモンドワイヤー送り側に少量の冷却水

ミスト状に散布します。

 

 

 給水タンク T-38

水タンク容量は38ℓです。ノズルプーリ組と接続します。

 

 サイクロンダストコレクター CD-35

集じん機によりインテークガイドプーリ組で

キャッチした切断粉を吸引集積する装置です。

 

 コンプレッサー AC2201

給水タンクと接続します。

吐出空気量:95ℓ/min

 

 ワイヤーガード押さえ金具

躯体にダイヤモンドワイヤーを環状に巻きつけた際に露出した部分をガードします。スポンジと押さえ板を金具にて固定します。

 

 

 ワイヤーガードスポンジ1000

躯体にダイヤモンドワイヤーを環状に巻きつけた際に露出した部分をガードします。スポンジと押さえ板を金具にて固定します。

 ワイヤーガード押さえ板

躯体にダイヤモンドワイヤーを環状に巻きつけた際に露出した部分をガードします。スポンジと押さえ板を金具にて固定します。

乾式専用ダイヤモンドワイヤー

 

乾式専用ダイヤモンドワイヤーは冷却フィン付構造となっており、フィンは切断粉を運ぶ役目も兼ねています。

インテークガイドプーリ組

   

 切断開始時のインテークガイドプーリ組

 切断完了時のインテークガイドプーリ組

切断が進むにつれ、ダイヤモンドワイヤーの切断角度が変化します。インテークガイドプーリ組は、その角度変化に追従し切断粉を確実にキャッチします。キャッチされた切断粉は、吸塵ホースより吸引されサイクロンダストコレクターに収集されます。

ノズルプーリ組

   

 ダイヤモンドワイヤーへの冷却水ミスト散布

 切断時のノズルプーリ組

切断時にダイヤモンドワイヤーへ少量の冷却水をミスト散布します。少量ですので切削泥水が流出することはなく、状況に応じて冷却水なしでも施工可能です。

ワイヤーガード

   

 施工背面側のワイヤーガード設置状況

 ダイヤモンドワイヤー露出部をガードします

専用のスポンジと押さえ板、押さえ金具でダイヤモンドワイヤー露出部に設置し、粉塵飛散とダイヤモンドワイヤー破断時の飛散の防止に使用されます。右写真のワイヤーガード上に見える2段の切れ口端部の穴は、ワイヤーを通すための「ワイヤー導孔φ50」です。

乾式ワイヤーソーシステム周辺機器

   

 周辺機器の配置状況

 サイクロンダストコレクターに収集された切断粉

乾式ワイヤーソーシステム機械配置図

 

システム周辺機器の設置場所は、標準で各ホース・ケーブル長さ20.0mが接続可能で約3.0m×3.0mのスペースがあれば自由に配置が可能です。
操作オペレーターは、作業半径5.0m以上離れた場所から遠隔操作にて施工しますので安全です。(切断中は、作業半径5.0m以内立入禁止の措置を行う)
ワイヤーソー切断中は、高速回転のダイヤモンドワイヤーが破断し、回転軸方向に飛散する危険性があります。その安全対策として、ワイヤーソー機械周囲を防護シートなどで囲い防護養生を行います。

 

乾式ワイヤーソー工法施工事例 DryWireSawing Construction

ダム取水設備工事のうち既設取水ゲート基礎切断撤去工事

   
 ダム上流側の全景です。中央に見えるのが取水ゲート基礎です。作業台となる専用のゴンドラをゲートに沿わせて吊り下げています。

 作業台の専用ゴンドラです。約6.0m×10.0mのスペースで2台同時施工としました。

 

   
 取水ゲート基礎の切断状況です。左右2台同時施工で中央にシステム周辺機器を配置しています。

 切断時は、防護ネットや防護シートなどで機械周辺を囲います。

 

   

 切断ブロックの搬出状況です。ブロック天端にケミカルアンカーを打設し、吊金具を取り付けて玉掛け作業を行います。上流の起重機船にて搬出を行います。

 

 作業台から見上げた取水ゲート基礎です。本工事では、作業台での作業となり切削泥水の養生集積が困難で、ダム貯水池への流出が危惧されるため、乾式ワイヤーソー工法を採用しました。

 【用途】

・水の確保、処理が難しい場所における鉄筋コンクリート構造物の切断

・橋梁撤去工事等における河川上での切断

・海上の鉄筋コンクリート構造物の切断

・既設のテナントビルや病院、ホテルなど、騒音、粉塵、振動の規制が厳しい場所での切断、他